今日は「テキスト・メッセージ・キーワード」のカテゴリで
『購入を即決した「かきぞめ用筆」のキャッチコピーとは』
というブログです。
先日、長男の小学校で授業参観があり、書き初め用の筆の購入斡旋がありました。
地元のスーパー等でも書きぞめ用の筆は売っていると思いますが、学校であっせんされているという安心感は強力なものがあります。
まったく疑問に思わず、学校で斡旋された書き初め用の筆を購入することにしました。
が、その申込書(袋状になっていて、そこに購入金額を入れて担任の先生に渡す仕組みになっていますね)のキャッチコピーを見て、
「これは学校斡旋ではなく、市販されていてもこの筆を選んでしまうな」
と感じました。
『筆の専門メーカーが現場の先生と協力して作成した小中学生のための「かきぞめ筆」です』
う〜ん、非の打ちどころがないですね。
このキャッチコピーの”見どころ”は以下の4点です。
1、専門性を訴求している
鉛筆も地球儀も三角定規もあります。あ、筆もありますよ。
という訴求と、
筆の専門です。
という訴求では、理屈ではなく後者を選びますね。
無理に理屈を付けるならば、「専門性が高いほうが、仕様や製造等について経験を積んでいるだろうから、様々な面で安心できる」という判断が働くものだと思います。
2、複数人で取り組んだ製品だということ
要するに、自己流で作った筆ですよ、というよりも、現場の先生と協力して作ったというほうが、仕様や製造等について多面的な検証がなされているだろう、という推論をするものだと思います。
3、具体性ある登場人物
ここでは「現場の先生」が登場しています。
これが「現場の先生」ではなく、
・筆のプロたるミスターX氏に指導を仰ぎ制作
だと、なんだか胡散(うさん)臭くなります。
「現場の先生」といえば、消費者は勝手に、担任の先生など具体的人物を思い描いてしまうものです。
とてもうまいやり方だと思います。
4、ターゲットを絞る
「小中学生のための」と絞っていますね。
セミナーでも口を酸っぱくしてお話ししている、「ターゲットを絞りましょう」
というポイントです。
これが、
・書道好きな、みんなのための筆
などの表現では、「いま自分がこの筆を買う」という動機をひとつ逸することになります。
まあ、筆が届いてしまえば、
・本当にここは筆の専門メーカーなのか?
・現場の先生と協力して作成…本当?
などの疑問は湧くはずもなく、粛々(しゅくしゅく)と筆を使うことになるのでしょう。
買っていただくためのコピー。大切な働きですね。
今日は『購入を即決した「かきぞめ用筆」のキャッチコピーとは』というブログでした。
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