こんにちは。わかりやすい
ホームページコンサルティングの永友一朗です。
ホームページはITではなくアナログな世界です。
アナログな世界、つまり生々しい人間味が全てを左右します。
経営効果を生むホームページは、すなわち「もてなし」の要素を
取り入れていて、それが自然に滲み出てしまうものです。
お目にかかる経営者さまには、そのことをわかりやすく
お話しさせて頂いているつもりです。
さて今日は「幼児に酒を提供した飲食店が足を踏み外したポイント」
というブログです。
先日、ある街で、家族で外食をしました。
家族で夕食(外食)を食べるときは個人店(チェーン店ではない店)
を選ぶようにしています。
が、先日は、ちょっと魔が差したというか、たまには
チェーン店もいいかなという軽い気持ちで入店してしまいました。
これが、いままで経験したことの無いくらい酷(ひど)い店との
出会いになってしまいました。
始めは何かのドッキリカメラ的なことかと思うくらい、
想像を超えた出来事でした。
家人は仕事で、あとで合流することになり
私と長男、次男が取り急ぎ店に入りました。
19:30頃の店内は我々が入店するや満席となり、
5〜60名ほどの客席からは楽しそうな笑い声が聞こえ、「繁盛店ここにあり」
という雰囲気でした。
客席にある呼び出しボタンを押すと、壊れているのか
店員さんがやって来ません。仕方なく手を挙げてお店の方を
呼びます。
キッチンが3名、ホールが3名という体制です。
5〜60席くらいの店であれば、ピーク時に6人態勢が一般的なのでしょうか。
などと様々なことを考えていましたが、13分経っても
料理が提供されません。
「お腹が空いたよう」
次男が珍しくそんなことを言います。
私は入店したことを早くも後悔しました。
14分後、提供されたカルボナーラは、「子供が食べるので
胡椒をかけないで」というお願いも空しく、しっかりと
胡椒がかかっていました。
私が食べる分には構いませんが、次男は特に辛いものに
敏感で、申し訳ないと思いながら作り替えをお願いしました。
そのうち家人が合流し、4人が揃いました。
子供もなんとか機嫌を直してくれた、そんな雰囲気になりました。
が、お腹が空いた子供に1秒でも早く食べ物を、という思いから
途中で頼んだ「サラダ」ですが、提供されたのはその野菜を使った
ソテーでした。
「頼んだものと違うのですが…」
店員さんは申し訳なさそうにして「作り替えます」と
言ってくれましたが、そういえばチェーン店でよくある
「オーダー時の確認」が無いことに気付きました。
私たちは、勿体ないので、その野菜のソテーを頂くことにしました。
ちょうど厨房が見える席だったので、ふと厨房を覗きました。
3人のキッチンスタッフは、まさにフル回転といった感じでした。
作られたパスタ類は、1〜2分ほどカウンターに置き去りになっていました。
次の瞬間、
「お待たせしました」
と次男(6さい)の前に供されたのは、家人が注文した酒類と
おぼしきものでした。
「…これ、注文してないよね?」
思わず夫婦で顔を見合わせました。
ストローが差してあるそのドリンクは、メニューの写真には
載っておらず、強いて言えば家人が注文した酒類に似ていました。
期せずして目の前に「ジュースっぽい何か」が供された次男は
そのドリンクを飲みそうになりました。
「すみません。これは●●(家人が注文した酒類)ですか?」
と家人がスタッフに確認すると、
「申し訳ありません。確認してきます」という対応でした。
私は、もう駄目だと思いました。
このスタッフは、自分がサーブするものが何であるかを
知らないのです。
そして知らないまま、それがジュースっぽいからなのか、
次男の前に出したのでしょう。
「お待たせしました。こちらは●●(家人が注文した酒類)になります。
ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
人間は怒りを通り越すと「驚く」ことしか出来なくなるようです。
家人が●●と同時にオーダーしたパスタが、
注文として通っていないのです。
「あの、●●と一緒に頼んだパスタが来ていないのですが」
不思議そうにこちらを見る店員さんの胸には名札があり
「お客様の笑顔を作るのが私の喜びです」
と手書きで書かれていました。
そして結局、食べ終わって店を出るまで、遅れて入店した
家人への水の提供はありませんでした。
この店は、いったい、何がどうなっているのでしょうか?
私は一つの仮説として途中で感じていたことが、
最後は確信に変わりました。
というのは、たまたま厨房が見える席だったために
発見した、この事象がきっかけです。
・店長らしきキッチンスタッフが、予約と思われる電話を
全て自分で受け、受話器を肩と耳に挟みながら調理していたのです。
これの、何がいけないのでしょうか?
行儀が悪いということでしょうか?
そうではありません。要するにこの店は、店長らしき
キッチンスタッフがひとりで全部頑張ってしまい、
同時に、スタッフ教育がまったく成されていないのです。
「店長らしきキッチンスタッフが、予約と思われる電話を
全て自分で受け、受話器を肩と耳に挟みながら調理」
ということは、そのことと、その大きすぎる問題点を
象徴する事象だと感じざるを得ません。
・社員教育
・チームワーク醸成
・店長とスタッフのコミュニケーション
というのは、飲食店経営において、えてして「当たり前なこと」
として流されがちかもしれません。
が、このポイントこそが最初で最大の分岐点であることを、
痛いほど実感した夜になりました。
もっとも、一番悪いのはこれを見逃している本部、
いや見逃してしまうような「本部の仕組み」かもしれません。
お会計の時に、「次回使えるクーポンです」という
100円引きクーポンを提示されましたが、
手で遮(さえぎ)りました。
もう、来ることは無いでしょう。
いや、将来の子供たちのためにも、
来てはいけない店だと思います。